ロールの確認

ロールも、プロジェクトゴールやマイルストーンと同様、変化しうるものです。定例ミーティングとそこでのアジェンダの議論を通して、ロールは常に見直され、改めて認識合わせが行われることになります。

ロールの確認

期待値とロールでも述べたように、自律的なチームであるためには、チームメンバー各々の責任・役割が共有されて認識が揃っており、メンバー相互の期待値に齟齬がないことが重要です。

チーミングの「理想の状態」には、明確な到達点がありません。なぜなら「ここまで達成したら理想のチームだ!」というものが決めにくいからです。そこでProject Sprintでは、常に「チームが今の時点より良い状態になること」を目指します。 そして、ここでの「より良い」とは、チームメンバー同士の果たすべき役割=ロールについての期待値がそろっている状態のことを指します。つまりロールの確認とは、チームメンバーの持つ互いの役割についての期待値がそろっているかを確認することを指します。

ロールの確認をするべきタイミングは、次のような時です。

  1. 過去に定義されたロールが、より詳細にブレイクダウンして考えられるようになり、細かい認識合わせが必要になったとき

  2. プロジェクトの進行により過去に定義していないような役割が生まれ、その役割を担うロールを明確化することが必要だと考えられるようになったとき

  3. 過去に定義されてあるメンバーにアサインされていたロールが、周囲からの期待に添っていないとき。例えば、実際にはアサインされているメンバーとは別のメンバーがロールを遂行していたり、アサインされたメンバーが周囲からの期待値を満たしきれていなかったり、逆にアサインされたメンバーが自分は周囲からの期待値を満たせていないと感じていたりするとき

  4. その他何らかの理由でチームメンバーがロールの確認をしたほうがよいと考えたとき

ロール確認の実施はミーティングのアジェンダアイテムとして扱われるので、確認が必要だと考える場合には事前にアジェンダアイテムの提出を行う必要があります。

明示ロールと暗黙ロール

Project Sprintでは、ミーティングロール以外には必ず設定しなければならないロールというものを決めておらず、それ以外のロールの定義についてはチームメンバーで合意することのみが必要な条件となっています。

しかし、この「チームメンバーの合意」は、必ずしも明示的なものとは限りません。チームで名前を決めて共有されるロールもある一方、プロジェクトを進めていくなかで、あるメンバーが自然に担っていく暗黙的な役割もあります。Project Sprintにおいて、前者は「明示ロール」と呼ばれ、後者は「暗黙ロール」と呼ばれます。

これらの区別は絶対的なものではなく、ある暗黙ロールが、何かのきっかけによって明示ロールとなることもありえます。

例えば、最初から暗黙ロールが十分に機能することはほとんどありません。つまり、「あの人がこれをやってくれるだろう」という阿吽の呼吸・暗黙の了解は、チーム発足初期にはあまり機能しないということです。多くの場合こうした暗黙ロールは一度「この人はこういう役割の人だ」という明示ロールとして表現され、この過程で期待値のすり合わせが行われます。その後、「あの人はこういう役割の人だからこれもやってくれるだろう」と、暗黙ロールも機能し始めるのです。チームメンバーの互いの期待値が合ってくると、未知の状況にも柔軟に対応できるようになります。

なお、暗黙ロールと明示ロールの割合はプロジェクトやチームによって異なるもので、最適なバランスもそれぞれ異なります。また、単純にロールの数が多いほうがよい、少ないほうがよい、といった点についても、一律の答えはありません。

ただし、ロールは次のような状態になっていることが望ましいとされます。

  • チームメンバー間で、ロールの中でやるべきことがより細かい粒度で理解されているほどよい。

  • そのチームにとって最もコストのかからない方法で、チームにとって必要十分なロールが共有されているほどよい。

  • 各ロールのやるべきことをお互いにフォローできればできるほどよい。

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