# ロールを確認する

チームメンバーを知り、ロールを設定することは、Project Sprintにおけるチーミングドメインにあたります。各チームメンバーの責任・役割・期待値を共有することで、自分の責任・役割・期待値が明確になり、自律的な行動が起こせるようになります。

ロールも、プロジェクトゴールやマイルストーンと同様、変化しうるものです。Project Sprintにおける「プロセス」にあたる、定期開催のミーティングとそこでのアジェンダの議論を通して、ロールは常に見直され、共通認識が持たれることになります。

この記事では、ロールの確認について解説します。

## **ロールの確認**

[チームメンバーを知り、ロールを設定する](https://github.com/copilot-jp/project-sprint/blob/master/JA/v3.1/tutorial/broken-reference/README.md)でも述べたように、チーミングの「理想の状態」の条件のひとつは、「チームメンバー各々の各自の責任・役割・期待値が共有されており、各メンバーの認識に齟齬がない」ということです。言い換えると、あるチームメンバーが「あの人はこれをやってくれるだろう」と考えたとき、そのチームメンバーも「これは私がやるべきことだ」と考えている状態です。

チーミングの「理想の状態」には、明確な到達点がありません。なぜなら「ここまで達成したら理想のチームだ！」というものが決めにくいからです。そこでProject Sprintでは、常に「チームが今の時点より良い状態になること」を目指します。 そして、ここでの「より良い」とは、チームメンバー同士の果たすべき役割=ロールについての期待値がそろっている状態のことを指します。つまりロールの確認とは、チームメンバーの持つ互いの役割についての期待値がそろっているかを確認することを指します。

ロールの確認をするべきタイミングは、次のような時です。

1. 過去に定義されたロールが、より詳細にブレイクダウンして考えられるようになり、細かい認識合わせが必要になったとき
2. プロジェクトの進行により過去に定義していないような役割が生まれ、その役割を担うロールを明確化することが必要だと考えられるようになったとき
3. 過去に定義されてあるメンバーにアサインされていたロールが、周囲からの期待に添っていないとき。例えば、実際にはアサインされているメンバーとは別のメンバーがロールを遂行していたり、アサインされたメンバーが周囲からの期待値を満たしきれていなかったり、逆にアサインされたメンバーが自分は周囲からの期待値を満たせていないと感じていたりするとき
4. その他何らかの理由でチームメンバーがロールの確認をしたほうがよいと考えたとき

ロール確認の実施はミーティングのアジェンダアイテムとして扱われるので、確認が必要だと考える場合には事前にアジェンダアイテムの提出を行う必要があります。

## **明示ロールと暗黙ロール**

Project Sprintでは、ミーティングロール以外には必ず設定しなければならないロールというものを決めておらず、それ以外のロールの定義についてはチームメンバーで合意することのみが必要な条件となっています。

しかし、この「チームメンバーの合意」は、必ずしも明示的なものとは限りません。チームで名前を決めて共有されるロールもある一方、プロジェクトを進めていくなかで、あるメンバーが自然に担っていく暗黙的な役割もあります。Project Sprintにおいて、前者は「明示ロール」と呼ばれ、後者は「暗黙ロール」と呼ばれます。

これらの区別は絶対的なものではなく、ある暗黙ロールが、何かのきっかけによって明示ロールとなることもありえます。

例えば、最初から暗黙ロールが十分に機能することはほとんどありません。つまり、「あの人がこれをやってくれるだろう」という阿吽の呼吸・暗黙の了解は、チーム発足初期にはあまり機能しないということです。多くの場合こうした暗黙ロールは一度「この人はこういう役割の人だ」という明示ロールとして表現され、この過程で期待値のすり合わせが行われます。その後、「あの人はこういう役割の人だからこれもやってくれるだろう」と、暗黙ロールも機能し始めるのです。チームメンバーの互いの期待値が合ってくると、未知の状況にも柔軟に対応できるようになります。

なお、暗黙ロールと明示ロールの割合はプロジェクトやチームによって異なるもので、最適なバランスもそれぞれ異なります。また、単純にロールの数が多いほうがよい、少ないほうがよい、といった点についても、一律の答えはありません。

ただし、ロールは次のような状態になっていることが望ましいとされます。

* チームメンバー間で、ロールの中でやるべきことがより細かい粒度で理解されているほどよい。
* そのチームにとって最もコストのかからない方法で、チームにとって必要十分なロールが共有されているほどよい。
* 各ロールのやるべきことをお互いにフォローできればできるほどよい。


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